Blackmagic Design、リアルタイムスキャナーCintel Film Scannerを発表


 Blackmagic Designは、2014 NAB Showにおいて、現地時間4月7日、35/16mmフィルムを最大30fps、Ultra HD解像度でリアルタイムスキャニング可能なCintel Film Scannerを発表した。

 同社は1年以上前に、フィルムスキャニング製品の老舗ともいえるCintelを買収したが、それを受け、今回ついにCintelの名前を冠したCintel Film Scannerが発表された。4Kコンテンツの需要が日に日に高まるなか、従来から世界中で制作されてきた映画フィルムは、絶好の4Kコンテンツ素材といえ、それらを効率的かつ高いクォリティのUltra HDコンテンツとして生まれ変わらせることを目的に、Cintel Film Scannerは開発されている。埃の蓄積を軽減するための拡散光源などCintelの優れた技術を引き継ぎながらも、現在の同社がもつ映像技術がふんだんに盛り込まれ、まったく新しいUltra HDコンテンツ制作機器となったのが、今回発表されたCintel Film Scannerといえるだろう。

 同製品は、35mmまたは16mmフィルムを最大30fpsのUltra HD解像度でスキャンできるリアルタイムスキャナーとなっている。航空機用の設計技術が取り入れられたメインデッキは堅く、振動がないため、安定したスキャニングが可能となっている。また、核となる筐体は超硬質な立体骨組み構造で、重いプレートを使用した従来のシンプルなデザインと比べ大幅な軽量化が図られている。この軽量化と薄型デザインが相まって、同製品は壁に掛けたり卓上に設置したりと、従来では考えられない形での運用が可能となっている。また、上記のような運用環境にも関わらず、スライドドア、内蔵クリーニングローラー、新しいデジタルサーボなど、フィルムをクリーニングするための各種搭載されているため、安心して、スキャニング作業を行うことができる。

 また、Thunderbolt 2ポートが搭載されており、Macに接続することで、フィルムをMac上のカラーコレクションシステムに直接リアルタイムスキャンできる。これにより、機器のセットアップや使用が極めてスピーディになり、スキャン後のファイルコピーに時間をかける必要もなくなっている。なお、同製品はThunderbolt 2に対応するOS X周辺機器扱いとなるため、ソフトウェアアップデートをインストールするだけで新しい機能が簡単に追加することも可能となっている。

 このほか、Cintel Film Scannerには、スタビライゼーション機能「Image Mill」やグレインリダクション、35mmフィルムゲート(16mmは別売)、2台のフィルムスプール、クリーニングローラー4台のセット、DaV inci Resolve 11ソフトウェア、卓上取り付け用の脚が含まれており、導入後のスムーズな運用が可能となっているのも大きな特徴である。なお、将来ユーザーがCintel Film Scannerを売却する場合もライセンス譲渡費用は発生しないとのこと。


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