ローランド、多機能ビデオ/オーディオスイッチャーXSシリーズを発表


 ローランドは、6月10日、会議室や教室、イベント会場の映像・音響システムに必要な機能を1台に集約し、子画面の合成や複数画面への拡大表示など映像演出も可能なマルチフォーマット・マトリクス・スイッチャーXSシリーズの発売を発表した。発売予定は2014年11月で、4出力モデルのXS-84H、3出力モデルのXS-83H、2出力モデルのXS-82Hと映像出力数が異なる3モデルが用意されている。

 近年、学校や会議室、イベント会場などでは、プロジェクターや大型ディスプレーが多く導入され、2画面以上の同時使用もめずらしくない。このような設備ではHDMIなどのデジタル接続はもちろん、旧来のアナログビデオからパソコン、そして最新の4Kまで、幅広い機器への対応が必要とされている。また、別途に音声用のミクサーや、それらを操作するためのコントローラーーも必要であり、設置スペースやでコストの増大など、さまざまな問題が生じている。

 同シリーズは、これらの要求・問題に1台で応えるオールインワンのスイッチャーとなっている。最大解像度WUXGA/1080pに対応し、入力はアナログからデジタルまでさまざまな機器に対応する8系統を装備。行と列で配置された多色スイッチで直感的な操作が可能となっている。さらにP in Pなどの画面合成、複数ディスプレーへの拡大出力といった演出を実現するビデオ・プロセッサーを装備。また音声ミクサーも内蔵し、それらをiPadで遠隔操作することも可能である。

 搭載された8系統の映像入力は、それぞれDVIも入力できるHDMI端子と、RGBやコンポーネント、コンポジット、S-Videoに対応するアナログ入力を備えている。搭載されたビデオ・プロセッサーにより、複数の出力映像を合成したり、複数画面への拡大出力が行えるため、出力を個別出力する「マトリクス・モード」、子画面を挿入する「P in Pモード」、出力を横に引き伸ばす「スパン・モード」、4画面で4倍の解像度を出力する「4Kモード」といった多彩な出力が可能となっている。また、ビデオ信号の上下・左右反転、90°回転が可能なほか、スケーリング処理との組み合わせで、入力された映像の任意の部分を切り出して出力することもできる。HDBaseT出力も装備しているため、Ethernetケーブルを使用して、WUXGA/1080pフォーマットの映像信号を長距離伝送することも可能となっている。

 また、同社のオーディオ処理技術による高度な音声加工や調整が可能な、オーディオミクサーをも搭載されている。これにより最大16系統の切り替えやミックスができるほか、声を聴きやすくする「ハイパス・フィルター」、「4バンド・イコライザー」、雑音を除去する「ノイズ・ゲート」、映像と音のズレを補正する「ディレイ」、マイクで話をした瞬間に、他の出力音量を下げる「ダッキング機能」など設備音響として役立つ機能を実現している。

 このほか、専用iPadアプリ「XS Remote」を使うことで無線での遠隔操作が可能になる。あらかじめ登録しておいた出力パターンの呼び出しや、映像の手動切り替え、音量調整などを手元に置いたiPadから行うことができる。なお、「XS Remote」は、App Storeから無料でダウンロードすることが可能(iPadとXSシリーズ本体を無線接続する場合は、別売のUSBアダプター「WNA1100-RL」が必要)。

  • 映像処理:4:4:4(Y/Pb/Pr)10ビット
  • 外形寸法:幅481×高さ88×奥行334mm(EIA-2Uラック/突起含まず)
  • 質量:5.3kg
  • 発売:2014年11月
  • 価格:未定
  • 問い合わせ先:ローランド・お客様相談センター TEL 050-3101-2555
  • メーカー製品サイト:XS-84HXS-83HXS-82H

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