キューテック、Universal Videohub 288を導入
Blackmagic Designは、株式会社キュー・テックが同社のUniversal Videohub 288モデルおよびSmart Control、Mini Converterを導入し、活用していることを発表した。
キュー・テックは東京、赤坂を拠点とする総合ポストプロダクション。アニメ作品を始め、TVCMやCG/VFX、DI、ステレオスコピック3D作品の制作およびポストプロダクション、デジタルアーカイブなど、多岐に渡ったビジネスを展開している。同社では、今秋公開の「ぶどうのなみだ」(配給:アスミック・エース)、「GODZILLA 3D 予告篇」などの劇場作品やトレーラー、サントリー、象印などのTV-CM作品など、多数のポストプロダクションを手がけており、数多くのビデオやフィルム作品のサポートを行っている。そしてこの度、新しいポストプロダクション・ワークフローを構築する一貫で、同社7階のスタジオに導入したのが、Un iversal Videohub288とのこと。
「7階のフロアにはノンリニア編集室が5部屋あり、主にCMやVFXの業務で使用しています。編集室は4部屋がステレオスコピック3Dに対応していることもあって、1.5G-SDIのデュアルリンクや3G-SDIでのシステムが混在しています。VTRも複数台使っており、ケーブルの数も多くパッチで運用するには煩雑になってきていました。」と、同社の第2映像部、編集グループのマネージャーである青木一浩氏はルーター導入のきっかけについて説明する。
導入にあたり、性能と価格帯を考慮してUniversal Videohubを選定したという。「まず、クロスポイントの多いものが必要でした。クロスポイントを増やせば増やすほどルーターの価格が高額になってしまうのですが、Universal Videohubはその点、低コストで導入できます。インターフェースをモジュール単位で増設できるところは便利だと思いましたね。普通であれば、必要なスペック以上のものを導入することはあまりないのですが、Universal Videohubは低コストで導入が可能だったので、いつもより余裕をもってシステムを構築しました。今は、まだ使ってないクロスポイントもありますが、これから4Kでのワークフローが増えていくことを考えると、どんな規格になっても十分に対応できると考えられます。」と同社技術部、副参与の鷹取敬氏は説明する。
同社では、Universal Videohub 288を編集室からエディターがモニターを切り替えたり、キャプチャーや出力するVTRを切り替えたりするのに使用している。送られる信号はHDやステレオ3D、DVDのオーサリング用にSDとさまざまだ。「ルーターによっては、VTRだけとかRS422の切り替えだけにしか使用してないものもあり ましたが、Unversal Videohubは入出力が非常に多いので、ありとあらゆるものをこのルーターに送っています。そのおかげで非常に使いやすくなっています。」と鷹取氏。
「Universal VideohubはビデオもオーディオもSDIですべて集約されているので、ビデオとオーディオが分かれているものよりシンプルで取り回しがしやすいですね。編集機でエンベデッドオーディオがのらないものは、Mini ConverterのAudio to SDIとSDI to Aud ioを使って、ビデオとオーディオをミックスしてルーターに送り、ルーターからまたオーディオをバラして編集機に送っています。」と青木氏はいう。「ルーターの場合はクロスポイントがひとつダメになると大変なので、リダンダントは必須でした。その点、Universal Videohubはリダンダントに対応しているので安心です。」
ルーターの操作にはBlackmagic のSmart Controlを8式導入し、各編集室に1式ずつ、マシンルームに3式設置されている。「SmartControlはマクロ機能がついているので、ワークフロー的にいつも使うと決まっている操作は、あらかじめ設定しておけば、ワンボタン、もしくは3ステップくらいでその操作ができてしまうので便利ですね。また、イーサネットから電源を取れるところも利点です。見た目もスッキリしますので、あまりケーブルで乱雑にしたくないところには、電源ケーブルは使わずにイーサネット給電しています。」
「Universal Videohubを導入してから、わざわざ、編集室からマシンルームに移動して操作をする必要もないので作業効率が上がりました。今までは、新しいスタッフが入社するとパッチの場所を覚える必要がありましたが、Videohubであればボタンを押せばいいだけです。」と青木氏は結んだ。