キヤノン、業務用30型4KディスプレイDP-V3010のファームウェアを無償提供


 キヤノンは、4Kデジタルシネマの映像制作現場などから評価を得ている同社の業務用30型4KディスプレイDP-V3010を対象に、基本性能の向上を実現するファームウエアを2014年10月より無償提供を開始する。このフォームウェアによるバージョンアップにより、4K試験放送に採用された放送規格ITU-R BT.2020の色域の映像素材確認や、ハリウッドなどの映像制作現場で普及し始めているカラーマネジメント規格ACESの伝送規格ACESproxyへの対応がDP-V3010で可能となる。

 今回のファームウェアの最大の特徴は、4K/8K映像の次世代放送規格ITU-R BT.2020の色域で撮影・収録された映像素材を表示・確認することが可能となった点である。また、AMPAS(映画芸術科学アカデミー)が提唱するカラーマネジメント規格ACESの伝送規格ACESproxyに対応するほか(ACESproxyのバージョンは、ACES System Ver. 0.7に対応)、同社のデジタルシネマカメラEOS C500/EOS C500 PLなど、ACESproxy対応の入力機器との連携により、撮影現場と編集現場での映像の色調を一致させ、映像制作における作業効率向上を図ることができる。

 併せて、現行のDCI-P3(SMPTE PR 431-2)、ITU-R BT.709、EBU、SMPTE-C、Adobe RGBの色域に加え、EOS C500/EOS C500 PLが対応するCinema GamutとDCI-P3+の色域で撮影・収録された映像素材を表示・確認することも可能となる。

 このほか、同ファームウェアでは、YCbCr4:4:4の映像フォーマットへの対応、デジタルシネマの規格として普及しつつある毎秒48コマの映像フォーマットに4K業務用ディスプレイとして初めて対応、フォーカスの状態に応じて被写体の輪郭を着色する「ピーキング機能」の追加などが行われるほか、以下に挙げる機能も追加される。
①色温度設定のゲインR/G/B、バイアスR/G/Bの個別設定機能
②インポートしたLUTを消去する機能
③3G-SDIとHD-SDIの自動切り替え機能
④ファンクションボタンに登録された機能を、ディスプレイ上で一覧表示する機能
⑤バナー表示の「非表示(オフ)」の選択機能
⑥メニュー、画質調整用のスライドバー、タイムコードなどOSD表示位置の選択機能
⑦インターレースまたはPsF信号入力時の表示を選択できる機能

 なお、同ファームウェアの詳細は10月に同社ホームページに掲載される予定となっているほか、9月12〜16日(現地時間)にオランダで開催される放送機器展「IBC2014」のキヤノンブースにおいて、同ファームウェアを適用したディスプレイによるデモが実施される予定とのこと。

  • 問い合わせ先:キヤノンお客様相談センター TEL 050-555-90006
  • URL:canon.jp/v-display

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