殿の天晴れ!ワンダフルプロダクツ・第1回〜 超3D全周シアター4D王
超3D全周シアター4D王
プロ向けのビデオ技術情報誌として、映像制作の現場で活躍する方々に向けて情報発信を続けて来た月刊ビデオα誌は、惜しまれつつも休刊となってしまいましたが、この度、その活躍の場をWebメディアに移し、情報の信頼性と速報性を両立させたプロ向けのビデオ技術情報メディアとして生まれ変わり、再スタートとなったことを心よりお祝い申し上げます。
4次元空間創造システム4D王が東京エリアに初進出
九州・福岡の株式会社ピー・ビーシステムズがプロデュースしている超3D全周シアター4D王が、お台場ヴィーナスフォート2階で営業開始されるということでプレオープンにお邪魔してきました(写真1〜3)。
4D王は、360度全周囲スクリーンに切れ目のない3D映像を投影し、ボディソニック&エアガンによる演出も加えられた360度全周位映像を楽しむアトラクションです。ホラー、アクション、ラブストリー、萌えとコンテンツもバリエーション豊かで英語バージョン、台湾語(中華圏)バージョン、新旧作含めて7〜13分のショートムービーが10本以上が準備され、随時上映可能となっています。営業時間は、毎日11時から21時まで、料金は、大人600円、小学生以下は300円となっています。
設置事例と日本国内導入について
2014年1月現在の4D王の設置場所は、ベトナムダナン市バナーヒルズリゾート内(60人型2機)、フィリピンマニラ市内(25人型最終設置場所確定前)、上海科学技術院内に2階建て実験機がありますが、一般には公開されておりません。その中でもベトナム中部の都市ダナン市の郊外から、長さ5㎞(世界最長)のロープウェイで標高1500mまで昇ったところにあるバナーヒルズリゾートでは、その3フロアーからなるアミューズメント施設の一角に、高さ4.6mの巨大スクリーンから迫りくるその圧倒的な迫力を誇る「4DOH60名収容型」が3セット設置され、2011年7月にオープンするやいなや連日行列ができるほどの人気を博しているそうです。
まだ海外中心の設置となっていますが、株式会社ピー・ビーシステムズ冨田社長(写真4)にお聞きしたところ、今後、新コンテンツのリリースとともに日本国内にも設置場所を拡大していく予定だそうです。小型の25人用だと10m×10mのスペースで設置でき、導入コストもコンテンツ込みのシステムプライス約3000万円ほどということです。
問い合わせ先:株式会社ピー・ビーシステムズ:https://www.pbsystems.co.jp/
4D王マシーンスペック
4D王の基本構造は、図1〜2のようになっています。観客自ら丸椅子を回転させて自分にぶつかる物体を避けたり、まぎわをすり抜ける物体に手を伸ばしてみたり、過ぎ去った後姿を見るといった360度スクリーンがつくり出す不思議空間を存分に堪能できる構造です。天井は消防法上筒抜け型となっています。
回転丸椅子ベースの25人収容型は、直径6.5m、天井高3.5mサイズ、60人収容型は、直径10m、天井高4.6mサイズの2パターンが基本構成です。現在、天井高3.1〜5.6mの範囲まで設計可能で、収容人数は椅子の選択と設置位置により変動します。入口の個数や、切れ目のないスクリーンにするために潜って出入りする構造や、ステージを階下からせり上がらせる構造など、柔軟にカスタマイズでき、常設型の頑丈なタイプとイベントなどでの利用を想定した簡易設置タイプが準備されています。映像スペックは、720pと1080pの双方対応、音源は、オリジナル6.2chサラウンドです。
映像コントロール用のシステムとコンプレッサーなどのギミック装置の設置のために(写真6〜8)、円形の場所のほかに、3㎡程度のスペースおよび安定した電源供給設備(国内では100V 12kV 3線。海外のみ200V対応で製作)が必要です。
円筒系の外観は、施設テーマなどに合わせて自由に装飾が可能になっています(写真9)。内部を常時カメラで中継していますので外部のオペレーターが、内部の様子をチェックできるようになっています(写真10)。