キヤノン、低ノイズCMOSセンサー搭載産業用カメラM15P-CLを発売


 キヤノンは、検査装置用の静止画像入力カメラとして、独自のCMOSセンサー技術を応用した、低ノイズ・多画素のM15P-CLの発売を開始した。同製品は、製造業において高精度な品質が要求される、液晶パネルやソーラーパネル、デジタル一眼レフカメラの光学部品などの品質検査に適した検査用カメラ。

 従来、人の目によって行われていた検査工程が、近年高解像での検知が可能なカメラを用いた検査へとシフトしており、今後市場がますます増大することが見込まれている。同社はこうした市場動向を捉え、既存事業で培った技術力を応用した新規事業として産業用カメラ市場に参入するとのこと。

 M15P-CLは、レンズ交換式カメラEOSシリーズで培ってきた高感度のCMOSセンサーを活用して新たに開発した、約1500万画素の白黒CMOSセンサーを搭載。広ダイナミックレンジで低ノイズを達成し、高コントラストでの検査を可能にしている。これにより、低コントラスト下での検査環境でも、白/黒の階調を高精細に映し出し、人の目では容易に確認できない微細なキズや異物などの欠陥を正確に検知することが可能となっている。

 また、撮影を行う際のキャプチャー画像の感度設定を、ノイズの増幅を最小限に抑えるアナログゲイン(1.16倍)と、デジタルゲイン(1.16倍)により、ゲイン256倍まで感度を向上させることが可能な「低ノイズ256倍ゲイン設定機能」を搭載。合わせて、検知する輝度の下限値と上限値を設定し、微細なキズや異物などわずかな輝度の差をより鮮明に映し出すことが可能な「コントラスト強調機能」も搭載されている。

 全画素の領域から最大8カ所の被写体領域を切り出して読み出す「複数部分領域切り出し機能」により、データ量を削減し、同時処理能力の向上が図られているほか、複数画素を加算および加算平均する「ビニング機能」や、画素を間引きして読み出す「垂直サブサンプリング機能」により、検出感度やS/N比、フレームレートの向上も可能となっている。

 なお、画像の出力は、高速転送が可能で産業用カメラ市場に広く普及している、標準インターフェース規格Camera Linkに対応している。

  • 撮像素子:APS-C(22.41×14.92mm)CMOSセンサー(白黒)
  • 有効画素数:4768×3174、約1500万画素
  • 画素サイズ:4.7×4.7μm
  • フレームレート:5.9fps(全画素読み出し時)
  • 映像出力:Camera Link Base Configuration
  • 映像出力ビット数:8/10/12ビット、2Ttap、48MHz
  • シャッター方式:ローリングシャッター
  • シャッター速度:106μs.3.5s(全画素読み出し時)
  • ゲイン:アナログゲイン;1.16倍、デジタルゲイン;1.16倍
  • 電源:DC12V±20%
  • 消費電力:3.3W
  • 外形寸法:幅約70×高さ70×奥行100mm(マウント部含む)
  • 質量:約500g(キャップ除く)
  • 価格:オープン
  • 発売:2014年3月19日
  • 問い合わせ先:キヤノンマーケティングジャパン・産業機器販売事業部 プロセス機器営業部 販売第一課 TEL 03-3740-3399
  • URL:http://cweb.canon.jp/industrialcamera/index.html

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