ソニー、小型ハンディタイプのXDCAMメモリーカムコーダーPXW-X70を発表


 ソニーは、2014年7月29日、機動力の高い小型ハンディタイプのXDCAMメモリーカムコーダーPXW-X70の発売を発表した。同製品は、同社の民生機FDR-AX100およびHDR-CX900と同一の、1.0型総画素数2000万画素(有効画素数1420万画素)Exmor R CMOSセンサーおよび、広角29mm、光学12倍のZEISS バリオ・ゾナーT*レンズを搭載した、プロ仕様のカメラとなっている。

 プロ向けにブラッシュアップされた部分として、まず対応記録フォーマットが挙げられる。FDR-AX100およびHDR-CX900では、XAVC S(MP4、50Mbps、4:2:0、8ビット)フォーマットが採用されていたが、PXW-X70ではXAVC Long GOP(MXF、50Mbps、4:2:2、10ビット)フォーマットが採用されている。またFDR-AX100およびHDR-CX900同様AVCHD記録にも対応しているほか、PXW-X70ではDVCAMによるSD記録も可能となっている。ちなみに、同製品はXDCAMの名前を冠しているがMPEG記録には対応していない。XDCAMイコールMPEG記録といったイメージもあるが、近年ソニーではXDCAMの定義を刷新し、Cine Altaを除くMXFファイル記録に対応した製品をXDCAM製品と定義している。

 このほか、SDカードスロットも2基搭載され、同時/個別/リレー記録が可能なほか、3G-SDI出力およびXLR出力(付属XLRアダプター使用時)の搭載、タイムコード/ユーザービット記録の対応、ピクチャープロファイルの対応、Wi-Fiリモートコントロール機能の搭載など、業務用として各種ブラッシュアップが図られている。

 また、同製品の大きな特徴の1つとして、同社のHXR-NX3でも採用され好評を博している全画素超解像ズームの搭載が挙げられる。これは同社の超解像技術で画素補間を行うことにより、従来のデジタルズームよりも解像感を保ったままのデジタルズームを可能とするもので、ほぼ画質劣化することなく光学ズームの12倍の2倍にあたる24倍までのズーミングを可能としている。さらに、新たに搭載されたデジタルエクステンダーを用いることにより、最大40倍の高倍率ズームも可能としている。

 PXW-X70には、MI(マルチインターフェース)シューも搭載されており、ワイヤレスマイクロホンパッケージ「UWP-D11/12」(別売)などMIシューに対応した同社の各種アクセサリーを使用することもでき、カメラ本体から「UWP-D11/12に電源供給したりケーブルレスで音声信号を入力したりすることが可能となっている。なお、同じくMIシューに対応したバッテリービデオライトHVL-LBPC(別売)だが、この製品に関してはソニーは安全上の理由から、PXW-X70での使用を推奨していない。PXW-X70のMIシューに取り付けること自体は可能ではあるものの、その際にはMIシューのメリットでもあるカメラ本体からのライトのオン・オフ制御は行うことができない。

 このほか、時期は未定ながら(おそらく2015年上期ごろになると思われる)、有償のアップデートによる4K記録への対応も予定されており、Wi-Fi機能に関しても、将来的にファイル転送やストリーミングなどにも対応する予定となっている。

  • 外形寸法:幅130.3×高さ180.9×奥行287mm(本体のみ)
  • 質量:約1.4kg
  • 発売2014年9月19日
  • 価格:¥28万(税別)予定
  • 問い合わせ先:ソニー・業務用商品相談窓口 TEL 0120-788-333
  • URLhttp://www.sony.jp/xdcam/products/PXW-X70/

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