朋栄が、Inter BEE 2014の出展概要を発表。新FT-ONEや新MediaConciergeを世界初公開
朋栄は、10月30日、Inter BEE 2014の出展概要を発表し、報道関係者に向けて事前発表会を開催した。
同発表会では、Inter BEE 2014で世界初公開される、フル4K高速度カメラFT-ONEの新モデルと、クラウドコンピューティングを可能とする新MediaConciergeが公表されたほか、IBC 2014で参考出展され国内初展示となる4K対応の新型ビデオスイッチャーHVS-2000 “HANABI” についても詳細が紹介された。
出展のメインテーマは、引き続き「Continuous Innovation」。昨年から掲げられているサブテーマ「FOR-A for a 4K Future」も継続され、ブースでは、4K、ファイルベース、シグナルプロセッシング、ブロードキャストグラフィックス、バーチャル/RCGの各ソリューションごとに、新製品が展示される(http://www.for-a.co.jp/news_events/news_releases_4401.html)。
新FT−ONE
新FT-ONEは、カメラヘッド分離モデルで、ベースステーションと光ファイバーで接続するタイプ。カメラヘッド部の外形寸法は幅180×高さ197×奥行290mm、質量は約5.5kgで、小型化を実現しつつ、イメージセンサーのサイズや有効画素数は、Super35mm相当で4096×2304画素と、従来のFT-ONEと同等となっている(従来のイメージセンサーとは異なる)。
そのほか、明らかになっているのは、PLマウントの採用とグローバルシャッターの搭載、防塵・防滴仕様ということのみで、外観もシルエットのみの発表となった。
新MediaConcierge
新MediaConciergeは、素材管理システムの枠を超え、制作支援システムとして進化。メディアアセットマネージメントの情報を、SNSライクなユーザー管理によって有効利用し、安全でありながら自由度の高い制作環境を提供可能となる。
また、共有したい素材や情報のみをクラウド上に公開する階層型クラウド管理や、多種多様なメタデータを1つに集約して大きく管理するのではなく、それぞれをオリジナルのまま別レイヤーで管理するなど、新たなデータ管理手法も提案。
さらにメタデータについては、管理するだけではなく、いかに活用するかも提案されており、同社VWSテロップシステムとの新しいメタデータ連携も紹介された。
これは、放送時に生付けしたテロップやノンリニア編集で挿入したテロップの情報を「時間軸メタ」としてMediaConciergeに登録し、MXFファイルとVWSテロップを、この「時間軸メタ」で関連づけて、再放送や再利用時に活用可能にするもの。映像データを重複させることなく、完パケと白完パケを管理することができる。
たとえば、MXFファイルで動画(番組やインサートV)を送出しながら、VWSで作成したテロップを生付けした際、OAタリーとTAKE操作を「時間軸メタ」としてMediaConciergeに登録。この「時間軸メタ」をノンリニア編集時に利用することで、生付けした時間でテロップをタイムラインに並べたり、逆にノンリニア編集でタイムラインに挿入したテロップの情報を「時間軸メタ」としてMediaConciergeに登録し、動画送出時にテロップが自動的に挿入されるように利用可能となる。
また「時間軸メタ」は、ショットマークを登録する仕組みを利用して、収録中に登録やタイミング調整、メモの編集も可能。登録した情報は、ノンリニア編集のプロジェクトとしてエクスポートすることができ、シーケンスまたは素材のマーカー情報として反映できる。
ビデオスイッチャーHVS−2000 “HANABI”
ビデオスイッチャーHVS-2000 “HANABI”は、HVS-390HSの次世代機として開発された4K/3G/HD/SDマルチフォーマット対応モデル(4K/3G対応はソフトウェアオプションとなる)。
本体は4RUサイズ、標準で24出力18出力を装備し、入出力のオプションカードスロットも6基装備されていて(HVS-100シリーズのオプションカードを搭載できる)、最大48入力18出力または40入力22出力までの拡張が可能。
HVS-2000向けに用意されたコントロールパネルHVS-2240OUは、RGBのカラーボタンが採用され、素材ごと、グループごとの管理・運用が容易となっており、カスタマイズ可能なユーザーボタンも豊富に装備している。
また、ジョイスティック、ツマミ、テンキーパッドを使用したシンプルなダイレクト操作のほか、7型タッチパネルディスプレーを搭載しており、複雑なオペレーションにも対応。外部ディスプレー向けのGUI出力(タッチパネル対応)も装備する。
HVS-2000の最大の特長は、MELiteという新機能にある。同機は2MEのスイッチャーであるが、このMELiteの機能を使用することで、実質6MEを利用することが可能だ。
このMELiteは、HANABIシリーズで好評のAUX2系統を使用したトランジション切り替え機能を進化させたもので、カット、ミックス、ワイプなどのトランジションのほか、キーイングも実現し、さらにこれまでは不可能であったプレビューの確認もできるようになっている。
HVS-2000が装備している18系統のAUXの内、12系統をMELiteに使用できるので、トランジション+キーイングで考えると4ME相当となり、本来装備されている2MEと合わせて6ME相当となる。
MELiteのオペレーションについては、ONStageという新機能を使用することで、ME列と同等の操作が可能だ。トランジションエリアのユーザーボタンを利用することにより、コントロールパネルの操作だけで、すべてのMELite出力を、同時または別々に切り替えることができる。
MELiteとONStageの機能をライブイベントなどに活用すれば、演出に使用する多数のディスプレーに対して、独立した演出を行うことが可能となる。
そのほか、特徴的な新機能として紹介されたのはFLEXaKEYとP-MEM。
FLEXaKEYは、各MEに搭載されているキーヤーとは独立して、さらにDSK相当のキーヤー4系統を使うことのできる機能で、MEやAUXへ自由にアサインすることができ、AUXバス上でのP in P表示や、MELiteを使用してアップストリームキーとして利用することも可能となっている。
またP-MEMは、イベントメモリーを拡張した機能で、スチルストアの画像やAUXバスのクロスポイント、マルチビューアーのレイアウトなども含め、MEやMELiteの設定をボタン1つで保存・呼び出し可能にする。マクロからの呼び出しにも対応する。
なお、HVS-2000は発表当初HVS-XT2000という型名であったが、HANABIシリーズの型名整理のため、10月30日よりHVS-2000に変更されている。同様にHVS-XT100とHVS-XH110についても、それぞれHVS-100とHVS-110変更となり、該当オプションについてもXTが割愛された型名に変更となっている(http://www.for-a.co.jp/news_events/news_releases_4402.html)。