ズノー WCX-70〜PXW-X70向けの0.7倍ワイドコンバーター
ソニーから9月に発売されたXDCAMシリーズのPXW-X70は、とてもコンパクトなボディながら、1型サイズという大型センサーを搭載した注目度の高いカムコーダーである。
そのPXW-X70に備わるレンズは、ZEISSのバリオゾナーT* ズームレンズで、9.3〜111.6mmという12倍ズームながら、広角側での開放値がF2.8という明るさをもつレンズだ。さらに、全画素超解像ズームやデジタルエクステンダーという機能により、画質の劣化を抑えながら24倍や48倍までのズームが可能となっている。
このように、PXW-X70は望遠側にはとても強いといえるようなカメラなのだ。
では、広角側はどうだろうか。1型サイズセンサーの恩恵もあり、9.3mmというのは35mmフルサイズに換算すると29mm相当となる画角となる。まずまずのワイドであるが、時にはもう1段階ヒキたいと思うこともあるだろう。
そこで、ズノーから登場するPXW-X70用の0.7倍ワイドコンバーター WCX-70を試してみた(写真1、2)。
WCX-70は、PXW-X70のレンズ前にネジ込み式で取り付ける仕様である(写真2)。PXW-X70がコンパクトなボディなために、その大きさがとても気になるところだが、実際に取り付けてみると、大きさ重さともに思ったほどバランズは悪くなさそうだ。
では早速このWCX-70を取り付けて、撮影を行ってみたい。
まず、PXW-X70単体で撮影した写真3に、カメラを一切動かすことなくWCX-70を取り付けたものが写真4である。
カメラ単体でも充分にワイドな画角だが、WCX-70によってさらにワイド感が増している。35mmフルサイズに換算すると、およそ20mm相当の画角である。
しかし、写真5のような状況では、画面の左右が多少歪んでしまっているように感じる。20mmといえば、フィッシュアイの少し手前という画角であるため、この程度の歪みは仕方のないところだろう。
また、周辺ボケも多少見られることから、このWCX-70は常用するものではなく、より広角を狙いたいときだけに、飛び道具的に使うのが正しい使い方なのだろう。
WCX-70とPXW-X70は共にコンパクトなことから、とても狭い場所にカメラを入れることもできるだろう。これまでは、ワイドな映像といえばデジタル一眼カメラに軍配があがっていたが、WCX-70とPXW-X70の組み合わせによって、小型カムコーダーでもワイドな画づくりが可能となる。
価格:オープン(実勢価格;¥4万5000前後)
発売:2014年12月10日
問い合わせ先:フォノン TEL 03-3844-6403
URL:http://www.phonon.co.jp