Zunow PLマウントアダプター PL-E kit 〜バックフォーカス調整機構を装備したPL→Eマウント変換
Zunowから、PLマウントレンズをソニーPXW-FS7に使用するためのマウントアダプターが発売された(写真1、2)。
単純にPLマウントレンズのバックフォーカスをEマウントに合わせた製品はすでに多数存在するが、本機の特徴はバックフォーカスが連続可変で調整できることである。
筆者のように、ENGカメラで育った人間はB4マウントレンズのフランジバック(バックフォーカス)調整機構に慣れ親しんでおり、本機の機構は非常に明解で使いやすい(写真3)。
現在市販されているPLマウントアダプターは、バックフォーカス調整可能といいながら実際にはピントワッシャー(シム)の交換で調節するものが多い(できないものもある!)。たとえば写真4は、一般的なPL-Eマウントアダプターを分解したもので、左側がPLマウント側、右側がEマウント側であるが、この間にピントワッシャー(シム)を挟み込むことで調整することになるのだ。この場合、レンズ修理技術者が行ったとしても開けたり閉めたりを繰り返すことになり、まして撮影現場で行うことは事実上無理である。
デジタルシネマ以前のPLマウントレンズには、バックフォーカス調整機構は付いていない。これはフィルムカメラでは、リアルタイムで撮影した画像を見ることができないので、ラボにおいて使用するカメラに対して一対一で厳密にバックフォーカスを合わせたレンズを使用するからである。しかし、いくら室内で調整しても日中の温度変化などでレンズやマウントの金属が伸び縮みするので狂ってしまう。
現在のデジタルシネマの撮影環境では、フルHDのモニターが使えるので本機のようにバックフォーカス調整機構をもったマウントアダプターはとても有効だ。
単焦点レンズの場合、レンズのフォーカススケールを無限にしておいて、実際に遠くのものを撮影し、本機のバックフォーカスのロックノブを緩めてバックフォーカスリングを回してピントが合うようにするだけである(写真5、6)。このとき当然レンズが前後するので、ロッドサポートのノブも緩めておいて、バックフォーカスが取れてからロックする。ズームレンズの場合はENGレンズと同じである。
筆者のようなフリーランスにはこのような製品は心強い。現場で機材を渡されたり、別々にレンタル会社から借りてきたカメラやレンズを支給されることがあるからである。本機は15mmのロッド上で使うようにロッドサポートがキットになっているが(写真7)、必要のない場合は本体だけでも販売するそうである。
また、まったく同様の機能をもった、MFTマウントカメラ用のPL-MFTアダプターも同価格で発売されている(写真8、9)。
価格:
・PL-E kit(15mmロッド用サポート付き);¥9万(税別)
・PL-E本体のみ;¥7万5000(税別)
発売:2015年8月
問い合わせ先:フォノン TEL 03-3844-6403
URL:http://www.phonon.co.jp