ズノーPWA-07〜PXW-Z100向けのプライムワイドアタッチメント
本稿は2013年11月22日発売の月刊ビデオα(2013年12月号)に掲載した記事を再編集したものです。内容に掲載当時の情報が含まれていますので、あらかじめ御了承ください。
ソニーから発売されている新しい4KカメラPXW-Z100とFDR-AX1は、1/2.3型センサーに20倍ズームレンズが備わった、従来のHDハンディカメラに近いシステムのカメラである。高倍率ズームレンズであることから、通常の撮影では望遠側で困ることはないと思われるが、レンズ交換ができないので広角側はどうなのだろうか。
本稿で紹介するズノーPWA-07は、4K対応の解像度をもつPXW-Z100とFDR-AX1用のワイドアタッチメントである(写真1)。発売はまだ少し先ではあるものの、どのような能力をもっているのか、テストすることができた。
PXW-Z100への取り付け
今回はPXW-Z100との組み合わせで試用してみた。PXW-Z100のレンズフードを取りはずし、レンズの先端部に、PWA-07のバヨネットマウント部を合わせてはめ込み、回転させることで、簡単にPXW-Z100に取り付けることが可能だ(写真2)。
取り付けてみるとわかるように、PWA-07の太さがPXW-Z100のレンズの太さとほぼ同じである(写真3)。見た目上で、このPWA-07を付けたことによる違和感はまったくなく、また取り扱いの不便さもなさそうである。
重量はおよそ500gで、取り付けた状態でカメラを持ってみると、若干レンズ側が重たく感じるかもしれないが、重過ぎるほどではない。
標準でフードも付属されているので、普段の撮影時からこのPWA-07を取り付けたままにするということも、一つの手かもしれない(写真4)。
PWA-07のワイド感
写真5は、PXW-Z100のレンズのみで撮影した画像である。ズーム位置は最も広角である4.1mmだ。この画角は、たとえばイメージセンサーがスーパー35mm相当のカメラに置き換えるとおよそ20mm、35mmフルサイズの一眼レフカメラに置き換えると30mmとなる画角である。一応広角といえる画角ではあるのだが、実際に撮影をしてみると、もう一回りワイドな画角にしたいと感じることある画角でもある。
そこで、このPWA-07を取り付けて撮影したものが、写真6である。左右ともに切れてしまっていた樹木がしっかりと画角の内側に収まっており、さらに余裕のある画角となった。このときの画角はスーパー35mm相当のカメラに置き換えるとおよそ14mmとなっており、ここまでワイドな画角がつくることができれば、通常の撮影では充分ではないだろうか。
またこの写真6は、QFHDよりもさらに左右が広い4096×2160のモードで撮影した4K画像であるが、それでもこのPWA-07によってケラレてはいない。
実は今回の撮影時において、PXW-Z100のレンズを最も広角の位置にした状態でPWA-07を取り付けると、若干ケリが出てしまうことがあった。そのときは、この原因がなんなのかわからなかったのだが、その後改めて取り付け直すことで、そのケリが解消されたことから、そのケリはPWA-07を取り付けるときのミスであることに気づいた。
つまり、取り付け時にマウント部がしっかりと入っていなかったり、また若干斜めに取り付けられたりすると、そのようなケリが出てしまうようである。画質の低下を最小限に抑えつつ、さらに広角な画角をつくるために、PWA-07はギリギリのところで設計されているのだろう。
4K解像度とコンパクト性
このPWA-07は、PXW-Z100向けに開発されたワイドアタッチメントであると聞いた。ということは4Kの解像度に対応しているワイドコンバーターなのだろう。そこで先ほどの写真5と写真6を見比べてみると、たしかに細部の解像感は同程度のものを維持しており、4K対応といっても問題のない画質をもっていることがわかった。画角の両端までフォーカスがしっかりと合っており、かなりしっかりとつくられていることが感じられる。
また、前径が95mmという一般的なレンズと同程度の大きさであることから、写真7のように狭い場所に入って撮影することも、PWA-07であれば可能だろう。
4Kカメラで4Kの解像感を表現するためには、望遠よりも広角な画角のほうが良いことは、いうまでもない。そこでこのPWA-07を使うことで、4Kでより広角な映像表現が実現するだろう。
価格:未定
発売:未定
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